20240217 ツーリズムチーム 大池ロングコース実踏

大迫力の掘割(地面を掘ってつくった水路)

お天気に恵まれず、何度も延期になっていた「大池ロングコース」の踏査。松崎町岩科から南伊豆に至る大峠を目指し、暗沢山にて一等三角点を確認し、大池にくだり、池の水利や用水路跡、掘割などの先人の知恵や遺構を巡るコースです。大池へは奈良時代からの古道、桜田の那賀郡家から南伊豆の賀茂郡家(郡家:郡の官人が政務を執った役所)をつないでいたとする道を歩き、大池からは八木山地区に水を導いた水路や切通の掘割といった生活古道を歩きます。

かつての生活道であることを感じることができる炭焼き小屋の跡

集合は、重文岩科学校。地域でイボ地蔵と呼ばれる石の洞から進んでいくと荒廃した道へ。さらに進むと近年まで作業をしていた炭焼き小屋が!右手に鉱物の試掘跡を見て進み、切通しを登りきると指川峠に到着。石畳の残る山道を登り、大峠へ。伊豆半島に一等三角点(地形図を作成する基準となる点)は3ヶ所あり、その一つが暗沢山(520.3m)。ちなみにあとの2つは、万三郎岳(1406m)と達磨山(982m)です。一般的に眺望のよい場所に設置される一等三角点。ここも富士山のビューポイントになっています。

富士山がきれいに見えるポイントはツアーの要

長者ヶ原を周回する舗装された車道をしばらく歩き、蛇石寄りの林道をくだり大池へ。陽光の差し込む大池は枯れたススキの大平原。湖畔を時計回りに進み、対岸の水利吐出口へ。八木山地区へ水利を導いた水路口を確認し、切通の掘割へ進みました。掘割の景色は圧巻です。大池から峰、松尾峠を経て岩科南側松尾へは、山仕事の生活道をかつての往来が盛んであった痕跡を感じながら進み、スタート地点の重文岩科学校へと戻りました。

八木山地区への水の取入れ口

大池のオオシマザクラは3月下旬、4月下旬にはヤマフジが見頃。5月には長者ヶ原山のツツジと富士山の遠望が楽しめます。こうした素晴らしい自然、眺望を楽しむためにも、荒廃した歩経路の補修の必要があると思いました。