20240217 ツーリズムチーム 宝蔵院古道を歩くコース実踏

地面を掘ってつくった道「切通」の風景

古代の伊豆には、国府が置かれた三島→韮山湯ヶ島→猫越峠→大沢里→那賀郡家(松崎町桜田付近)→伏倉→岩科→天神原→賀茂郡家(下賀茂付近)という、郡の官人が政務を執った役所である郡家を結ぶ官道があった可能性があります。
2月17日、三島から松崎町江奈までの古道の一部、弘法大師が開基したとされる富貴野山宝蔵院から山稜に残る古道を歩きました。

旅の道中を守る馬頭観音

樹齢千年の弘法杉やオオシマザクラの古木がある宝蔵院の境内を出て林道を進み、大きな踏み石の階段を降りきると、見えたのは炭窯の跡。昔の暮らしを確認することができます。林道の造成により宝蔵院からの古道が不明確なところもありますが、稜線を進んでいくと、古道の高台に馬頭観音があります。掘割を上り進むと、弘法大師が座禅を組んだとされる「座禅石」が。迫力のある座禅石、石仏も安置されています。

弘法大師が座禅を組んだとされる座禅石、迫力があります。

その先に展望が開け、西伊豆駿河湾を望む場所がありますが、法面崩落ヶ所があり危険。幅広い道が続く先には、尾根と尾根の谷間を盛土して道とした「段築」が残っています。

丘陵鞍部を土手状に整形した道路構造「段築」

再び堀割を下ると視界が開け、雲見方向の眺望が広がります。かつての往来を実体験できるこのコース。歩行に注意しなければならない場所もありますが、のんびりした古道歩きを楽しむことができます。