20230730 東伊豆町まちづくり事例見学遠足

金目鯛が有名な伊豆稲取へ遠足です!

若い世代のまちづくりへの参画がメディアに度々取り上げられている「東伊豆町」。
そのキーマンである合同会社so-an・NPO法人ローカルデザインネットワークの荒武優希さんにお話を伺い、町内外の方が集まる場として利用されている施設を見学する「東伊豆町遠足」を7月30日(土)に開催しました。
この遠足を企画したのは、東伊豆町静岡大学地域創造学環のフィールドワークをおこなう阿部先生。阿部先生は、地域の様々な課題を公募し、その解決支援を大学・学生とおこなう「地域課題解決支援プロジェクト」を通して、松崎町東伊豆町と深く関わってきました。

消防団の詰め所をリフォームした「ダイロクキッチン」

松崎町を10:30に出発し、河津を通って東伊豆町稲取に着いたのは11:30。意外と松崎から近いことに驚きました。消防団の詰め所だった建物を「食」を中心としたイベントができるようなスペースに改修した「ダイロクキッチン」で、荒武さんと施設を管理されているイナオカさんとお話タイム。
荒武さんは、芝浦工業大学で建築を学び、大学院生の時に、自分の建築の技術や知識を試すことのできる場が欲しいという思いから、東伊豆町の空き家改修に仲間と挑戦。その時は、その後の管理などができず失敗してしまいましたが、この失敗を町が受け入れ、再度空き家改修に挑戦となった物件が「ダイロクキッチン」です。
シャッター商店街歩行者天国にするイベント、チャレンジショップなどをおこなったことで、徐々に仲間が集まり、その仲間たちが東伊豆町に移住したり、お店を開いたりしています。失敗を受け入れ、迎えてくれた町ということで、東伊豆町に移住した荒武さん。地域おこし協力隊を勤め、任期満了後に合同会社so-anを起業。これまでに後ほど見学した宿泊施設やシェアオフィスなどを空き家改修で立ち上げています。

お腹がすいたので、東伊豆町名物「肉チャーハン」をおかもちごとテイクアウト(笑)

荒武さんの印象的だった言葉は、
・自分のやりたいことで地域のニーズを満たしていく。
・施設は活用されてこそ成功。
・気づきを与えてくれる人の存在が大切。
・学生が失敗をしたときにはそれを受け入れ、挫折で心を折らせないようにする。
・「タイミング」が大切。やりたいことがたくさんあれば、そのタイミングに合うものが見つかるかもしれない。
終始荒武さんは、自分はやりたいこと(施設をつくる)をしただけで、そこに集まる人たちが人を集め、まちづくりを広げていったとおっしゃっていましたが、町の方たちが素晴らしいのはもちろんのこと、荒武さんの人柄に皆さんひかれて集まり、「この人のためにも頑張りたい!」と思わせる何かがあるなと思いました。

この後、合同会社so-anさんや芝浦工業大学「空き家改修プロジェクト」のみなさんが東伊豆町内の空き家を改修した施設を3ヶ所見学しました。

MORIEでは芝浦工大の学生さんたちがベンチを補修中

【MORIE】
クロスカントリーコースの管理棟を宿泊施設にリノベーションした施設。この日は、空き家改修プロジェクトの学生さんが、製作した町のベンチを補修する作業をしていました。空き家改修プロジェクトは芝浦工業大学のサークルのようなもので、約120名のメンバーがあり、今年は定員40名に対し100名の参加希望があったとのことで、このプロジェクトに加わりたいという目的で芝浦工業大学を目指す人もいるそうです。町の方がボランティアで工具の使い方を学生さんに教えていました。

【港庵 赤橙(すみっこカフェ)】
稲取漁港近くの民家を宿泊施設に改装した施設で、荒武さんの奥様がカフェを開いています。庭を眺めながらのコーヒーと美味しい手作りケーキ。娘さんの可愛さに癒されました。

海を見ながらワーキング「EAST DOG」

【EASTDOCK】
漁港の事務所をシェアオフィスに改装した施設。東伊豆町でのワーケションに利用されています。海を眺めながら仕事をして、ちょっと漁港をお散歩。贅沢な時間を過ごすことができます。

松崎町だけでなく、特に若い世代の人口流出の止まらない伊豆地域において、解決策を見出すためのヒントを探しに出かけた今回の遠足。前例のないことへの挑戦の失敗を受け入れることや、若い世代が「オシャレ」と思うようなデザイン性の良さといったことが、関係人口の増加、ひいては定住者の増加につながるのではないかと思いました。

荒武さん、イナオカさん、芝浦工業大学「空き家改修プロジェクト」のみなさん、特に空き家改修プロジェクトの方には、急な訪問だったにも関わらず、質問に答えていただきありがとうございました。