20230929 松崎高校探究学習4

十字の園のスタッフの方、右の女性は松高OGです。

令和5年4月1日現在の高齢化率が49.9%と、2人に1人が高齢者という現状の松崎町
今回の松崎高校探究学習のサポートは、本プロジェクトの高齢者チームから松崎町特別養護老人ホーム障がい者施設などの施設を展開する社会福祉法人「十字の園」のスタッフの方と、静岡大学東部サテライトに常駐している地域福祉が専門の内山先生に講義をしていただきました。

十字の園の方からは十字の園の紹介や取り組み、松崎町の高齢化の現状、福祉施設のICT化についてお話をいただきました。
単身高齢者、老老介護の世帯が増えている松崎町。地域の高齢者がどうやって暮らしていくかを高齢者を支える世代が考えていかなければならないと十字の園の方は高校生に語りかけます。当日いらした3人のスタッフの方は、特別養護老人ホームで働いている方で、そこで人生の最期を迎える方がいることからも、大事にしている取り組み3点についてお話しされました。
1つ目は「こちらの都合でやってしまっていること」のリスト化、2つ目は「当たり前の日常」、3つ目は「看取り介護」で、当たり前の日常については、昨年度の探究学習で実際に生徒さんと施設の利用者さんがお墓参りに行きました。

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今後は、親族の結婚式への参加といったことに挑戦したいとのことです。
看取り介護とは、いつもと変わらない状況で最期を迎えることのサポートで、自宅で最期を迎えたいという方には施設の方が自宅に付き添い、家族と迎えたいという方には家族を呼ぶということで、生徒さんがかなり真剣に話を聞いている様子が印象的でした。
こうした取り組みをおこなうには、人手と時間が必要で、福祉を担う人材の育成が急務であるということで、町でも「認知症サポーター」の養成に力を入れているということです。
人手不足解消のためにも期待されているのが、ICTとAIの利用。タブレットへの利用者さんのデータ入力や特に夜勤時の見守りのためにカメラを導入するといったことを計画しているとのことです。

最後に高校生へ
1.誰がいつどうやって高齢者を支えていくか。
2.福祉人材の確保をどうするか。
3.介護の現場において人と機械は共存できるか。
という3つの課題を問いました。

「ふるさと絵屏風」に興味がある方、一緒につくりませんか?

内山先生からは、まずは高齢者を知ることが大事であり、コミュニケーションを取りやすい関係を築くことで、高齢者のニーズを知ろう、というお話があり、その一環として「ふるさと絵屏風」の紹介がありました。この松崎町版を町の高齢の方から聞き取りをすることで作成していきたいという計画があり、(今回探究学習で講義を受けている1年生が)2年生になって実践の授業になった際に、一緒に作りたい人を募集しました。

お二人からの講義の後は、講義を元に生徒さんが「課題を解決するプラン」「それはどのようにしたら実現可能か?」ということをグループワーク。施設に入らなくてもよいように、健康な老人を増やすため、老人専用のジムをつくる、といったアイデアがありました。

次週の探究学習サポートは、静岡大学情報学部の吉田先生が地域における「ガバナンス」について講義をします。