松崎町門野にある富貴野山宝蔵院に次ぐ石仏の宝庫と言われている高野山(たかのさん)。真言密教の霊場であった場所で、かつては弘法大師もここを訪れましたが、谷の深さが物足りなかったことから和歌山県へ行って高野山(こうやさん)を開いたという伝説があります。
11月26日、ツーリズムのチームはこの高野山を探訪する「密教の聖地コース」の実踏をおこないました。このコースは、路線バスでの移動が可能なコースとして計画。長八美術館前からバスに乗り、八木山で下車し、高野山を目指します。県道を蛇石峠に向かい、岩科川に架かる風早橋手前で左側の林道へ。進んで行くと沢に架かる高野橋、地蔵石仏が祀られている石室を左折して登って行くと大きな奇岩が迫ってきます。
苔むした階段を上ると石塔と毘沙門天石仏があり、石段を下がると、かつて修験者の草庵があったという広場に出ます。岩室には釈迦・文珠・不動の石仏があり、正面には石段を上ると岩室には弘法大師像が。奇岩絶壁に囲まれた重々しい雰囲気に包まれた聖地を感じる場所です。
帰りは来た道を戻り、文覚上人が持参した弘法大師像が安置されている永禅寺へ。なまこ壁の蔵が残る桑原地区を巡り、長閑な峰地区、岩科川の護岸を歩き、田園が広がる中村地区を抜け、終着点「重文岩科学校」へ。歩行距離約9㎞、所要時間3時間、信仰の歴史を感じながら田舎の風景を楽しむことのできるコースでした。