20231117 松崎高校探究学習8

静岡ガスさんがエネルギーについての基本的なデータを説明

11月17日の松崎高校探究学習の講義は、エネルギーチームが担当。エネルギーチームは、
1 静岡ガスさんが中心となり、町の温室効果ガス総排出量を把握、削減目標の策定と達成に向けた措置を検討
2 バイオディーゼル燃料の精製と発電利用
3 環境に負荷をかけないライフスタイルの普及
という3つの柱で活動をしています。
今回、静岡大学の丹沢先生、静岡ガスさん、町の方がそれぞれの取り組みについて説明をし、その説明を踏まえたうえで、生徒さんにグループディスカッションをおこなってもらいました。

静岡ガスさんからは「地球温暖化について考える~松崎町とエネルギー~」というタイトルで、地球温暖化、石油や石炭といった化石燃料について、カーボンニュートラルといった日本のエネルギー政策について、太陽光発電地熱発電、中小水力発電といった再生可能エネルギーについて分かりやすい説明をいただきました。その中で、日本はエネルギー自給率が低く、海外からの化石燃料に依存していることから資金が流出しているという現状を説明いただき、松崎町にも同じことが言えるとのことでした。松崎町では東京電力から電気を買っているため、町外にお金が流出しており、それはお金の問題だけでなく、例えば松崎高校の暖房がつけられないという事態になったときにどうするか?という問題提起をされました。

バイオディーゼル燃料(BDF)の精製と発電利用」については、実際に廃油からBDFを精製する会社を立ち上げた町の方からお話を伺う予定でしたが急遽来れなくなってしまい、資料をもとにした説明がされました。その方は、バイオディーゼル発電でステージ照明や音響、出店テントの電力をまかなう音楽フェス「頂 -ITADAKI-」でも活躍されていた方です。
廃油はほっておいたらただのゴミ。BDFとして利用すればCO2は排出されるものの、植物由来なのででカーボンフリーなエネルギーである。利用方法としては、ごみ収集車(ディーゼル車)での直接利用、ディーゼル発電機に使用し、EVに充電。農耕機への利用など。本プロジェクトでは農業のチームと連携し、松崎高校近くの休耕田で菜の花を育て、その菜種から搾油、食用油利用、廃油をBDF精製に利用する「菜の花エコプロジェクト」を進めています。

「環境に負荷をかけないライフスタイル」については、実際にそうした生活を実践している町の方からお話がありました。時代の過渡期を過ごしてきたその方は、親から何かに困ったときには困らないような工夫をする生活を受け継いできたとのことで、何かを買う時にはまずそれが必要か必要ではないかを考え、耐用年数のあるものを買うとのこと。若い世代へのアドバイスとして、家事を覚えることで暮らしの工夫を見つける機会をつくり、知恵を使って経験を積むことで、豊かな生活を送ってほしいとのことでした。

エネルギーという難しい分野でしたが、ディスカッションは盛り上がりました。

「エネルギー代金として多額のお金が町外に流失している現状に対し、松崎ではどのようなエネルギーを利用したらよいか?」
という議題でグループディスカッションをしてもらい、3組のグループから発表をしてもらいました。

・温泉熱や川の流れを利用する。川の流れが弱い時もあるので、太陽光発電とミックスさせる。
耕作放棄地で太陽光発電をしてはどうか?必要なものは、お金+人+話し合い
・水の流れる道を作って高さをつけて水力発電をおこなう。
といった意見が出ました。

中でも「お金+人+話し合い」という意見は非常に重要で、設備の建設にはお金がかかり、仕事としてやっていけるのかどうかという面で人の確保が難しく、土地の管理者などとの「対話」が必要になる
とのことでした。

最後、静岡ガスさんから松崎町のエネルギー案の一つとして、太陽光発電の紹介があり、まちの活性化につなげる仕組みづくりの例として、エネルギーの地産地消を推進する島田市さんとの連携についての紹介がありました。
なかなか自分事として考えにくいエネルギーですが、人口6000人弱という町で、年間4億円の電気料が町外に流出していると考えると身近な課題として考えられるのではないでしょうか?

今回で探究学習のチームでのサポートは終了。生徒さんたちがどの課題や取り組みに興味を持ち、これから学びを深めていくのか、今後もプロジェクトとして追っていきます。