20231119 松崎プロジェクトチーム活動中間発表会

高校生や大学生の参加で場が活気づきました。

11月19日(日)、2023年度の松崎プロジェクトのチーム活動中間発表会を松崎町環境改善センターで開催しました。これまではチーム活動の現状や問題点を報告し、共有することを目的としていた中間発表会ですが、今回、2030松崎プロジェクトのチームだけでなく、地域で活動する団体の方に参加いただきました。
松崎町では町の方たちがたくさんの活動をおこなっています。町の方はその活動を知っているかもしれませんが、町外の人は知らない人がほとんど。この機会に、連携、協力といったきっかけが生まれることを期待し、お互いの活動を発表しました。

今回の会の流れとしては、プロジェクト全体の説明→地域で活動する団体の紹介→松崎プロジェクトのチーム活動の紹介→グループ対話→グループ対話の共有となります。

チェックインは、先日、国連の主催するインターネット・ガバナンス・フォーラム京都2023のプレイベントで英語でのスピーチをおこなった松崎高校3年藤井さん。この経験を今後のプレゼンテーションにいかしていきたいとのことでした。

まずは、2030松崎プロジェクトについて、「子どもたちと住み続けるまちを共につくる」「新しい観光の可能性を追求する」という二本柱のもと、中高生とのワークショップを通して作成した13のゴールを目指すチーム活動を現在おこなっていることを説明しました。
また、今年度は昨年度に続き、松崎高校の探究学習(西豆学)のサポートをチームがおこなっており、1年生が座学での講義を受け、来年度その2年生がチームとともに実践活動をおこなうことを説明しました。

次に、松崎町内でおこなわれている様々な活動をその活動をおこなっている団体の方から紹介していただきました。

松崎花の会

建久寺と花の三聖苑の花壇の植栽や、松崎の一大イベントである「まちかど花飾り」をおこなう団体です。40年くらい活動が続けられており、その秘訣は、情報を共有するための「お便り」の発行、「こういう会だったら楽しいというイメージを持っている」とのことでした。

松崎ポートクラブ

1月のどんど焼きに始まり、富士山の日の神事、遠足、海岸清掃、「日本で一番地味な盆踊り」、餅つきという年間の活動を歌でご紹介いただきました。5月からおこなう海水浴シーズンに松崎海岸に浮かべるいかだの竹取りと制作が一番大変とのこと。自分が楽しいと思うことを気の合う仲間とおこなっていること、活動のあとの飲み会開催が、30年以上続いている理由ということでしたが、若い人が入らないのが悩みとのことでした。

田んぼをつかった花畑実行委員会

松崎を代表する観光資源である「田んぼをつかった花畑」。松崎町那賀地区の農閑期の田んぼに花の種を蒔き、毎年2月中旬からGW頃まで見ごろを迎えます。一時期、打ち切りという危機がありましたが、地域おこし協力隊の方の協力やクラウドファンディングにより継続しているとのこと。メンバー以外にも町の多くの人がこの活動に協力しているとのことです。

静岡大学地域創造学環 松崎町商店街フィールドワーク

「せんとプロジェクト(仮)」として、松崎高校の生徒有志が一緒に活動。地域の空き店舗を活用して地域の交流の場を作るプロジェクトで、松崎商店街の「せんと」という店舗を使わせてもらっています。椅子やテーブルなどは不用品を回収することでまかない、この活動を松高生が撮影・編集した映像作品は、静岡銀行主催の「アオハルし放題」というコンテストの動画部門で優秀賞を受賞しました。この「せんと」を学生が挑戦できる場にしたいということで、学生主体で活動をしていくためにも、カフェやボードゲーム大会をおこない、興味を持ったメンバーを集めていきたいということでした。

静岡大学地域創造学環 松崎町観光と防災フィールドワーク

これまでに、防災避難訓練、防災講座、観光防災マップの作成などをおこなってきた。昨年度は地域の小中学生から観光スポットのアンケートを取り、webスタンプラリーを開催。今年度は地域特産の「桑の葉うどん、そば」の商品ラベルを作成中とのことです。

松崎町若手職員プロジェクト

令和4年度より松崎町役場の係長未満の若手職員が、町の課題の解決を図るために立ち上げたプロジェクトチーム。松崎町PR・町内DX推進・役場内DX推進・温暖化防止推進・景観保全推進・業務改善という6つのチームで活動中。自分たちで課題を見つけ解決する力を養うほか、コロナ禍で希薄になってしまったコミュニケーションの機会を増やす目的もあるとのことでした。

次に、2030松崎プロジェクトのチーム活動を紹介

ツーリズムのチームはコースの実踏を進めています。

ツーリズムチーム

里、山、町中の地域資源に絞り込み、資源を掘り起こして、観光商品にしていくことが目標。今年度は、古道、富士山ビュー、歴史遺産、ジオ・産業、健康ウオーキング、体験というカテゴリに分けたコースを16個企画し、実踏することを目標としているとのこと。企画を立てる段階で資料をまとめていたところ、静岡大学人文社会科学部考古学研究室の学生が、古代から近世に向かうジャンルを分けてポスターを制作し、大学祭で発表をした。そのポスターを会場後方で展示していました。

静大考古学研究室の松崎町の古道についてのポスター展示

農業チーム

松崎町を舞台に誰もが農と漁に携われる環境があり 私たちの食べ物を自給するための場所と仲間に恵まれている」を今年度のゴールとし、玉ねぎの収穫と農機の体験会、保育園からの依頼でサツマイモの定植や芋掘り、菜の花エコプロジェクト、桑の葉の収穫体験会などをおこなってきた。SNSの活用でプロジェクト以外の町内外の人の参加があったことが新しい動きであったとのことでした。

高齢化チーム

「高齢者になってもその人らしくともに暮らせる町を目指す」ことをゴールに、「ふるさと絵屏風」の作成に着手。自立とは一人で生きていくことではない、色々な人とのつながりが必要でその切り口として、ふるさと絵屏風づくりを始めた。具体的には、「常磐大通り商店街」の昔の賑わいを絵にしようと、ヒアリングなどを進めているとのことです。

三余塾チーム

学びの場、機会を創り出すチーム。気軽に学べる環境、学び会える環境を作っていきたい。自分が講師になりたい人も大募集。

エネルギーチーム

菜の花エコプロジェクトと連携したバイオディーゼル燃料精製について、小さなプラントの目処もついており、デモはできる状態だが資金がない状態。

映画チーム

松崎町を舞台にみんなで一つの映画をつくろう」というゴールのもと、町の人の持つ町の魅力、外側から感じる町の魅力を映画で伝えたいという思いで、映画製作を進めているチーム。監督・脚本は静岡大学の学生さん、主人公やナレーターを松崎高校の生徒さんが務める。現代の女子高生に依田勉三が夢を与えるといった内容で、映画のタイトルは「BENBEN」。12/3・17・1月末にも町内で撮影の予定。役者だけでなく、編集なども興味のある人は声をかけてほしいとのことです。

広報チーム

主にミライ通信、ブログでのプロジェクトの情報発信をおこなうチーム。町の広報と連携し、町の広報誌にプロジェクトのコーナーがほしい。町の人がいないと広報は難しいので、町の人に積極的に関わってほしい。

ぷらっとカフェ

プロジェクトの情報発信、チーム活動の共有などの場として、月に2回ほど、「ふれあいとーふや。」さんを利用してカフェを開催。今後、十字の園さん、蔵らさん、せんとさんといった別の場所でも開催していきたい。12/17(日)はせんとさん(松崎クリーニング向かい)で開催予定。

映画チームは大学生2人が発表。出来上がりをお楽しみに!

西豆学との連携やたくさんの活動の発表を聞いた上で、
①西豆学(松崎高校・松崎中学校)とどのように一緒に活動していけるか?いきたいか?
②町内で実施されている活動とどのように連携していけるか?いきたいか?
③まちのよりよい未来にむけてどのような活動をしていきたいか?
を5~6人×4つのチームでグループ対話をおこないました。どのグループも大学生がファシリテータを務め、活発な対話がされていました。

グループ対話の共有では
上記①について
・大人の持つ専門分野をいかし、高校生のやりたいことをサポートすることで実現可能にしていく。
・松崎高校には芸術コースがあるので芸術コースの生徒と活動したい
・「西豆学のサイズ」を広げていきたい。調べたことの実践の場がないので、大学、企業、大人にサポートしてほしい。

上記②については
・「せんと」や「ぷらっとカフェ」といったすでにある集いの場を活用する。
・十字の園を拠点として使うことで、若い世代と高齢者の交流が生まれるのでは?
・アイデアを実現させるためのコラボが、町の中と外でもできたら良い。

上記③については
SNSで話題となるような活動をおこなうことで、若い世代が松崎町で今後も暮らしたいと思うのでは?
・学生と多世代が集えるような居場所をつくり、その場で観光資源を見つけていく。
・若い人が活動をしていくことが大切、若い人の意見を取り入れることで視点が広がる。
・今日のこの場のような多世代がフラットな関係で集まる場所が必要
といった意見があがり、共通して言えるのは「若い世代の参加や意見を聞くためにも、多世代が集まることのできる場や機会が必要」ということでした。

高校生も積極的に発表をしました。

チェックアウトでは、今回初参加の美しい伊豆創造センターの佐々木さんより、多世代の色々なアイデアがあって土台がしっかりとしている。色々な土台があって掛け算になっていくことが大事、という感想をいただきました。

お互いの活動を知り、思いを伝え、それを掛け算していくことで、つながりが生まれていけばよいなと思いました。

※今回のブログの写真は、ポスター展示の写真を除き、松崎高校3年の藤井さんが撮影したものです。来年の西伊豆町のカレンダーの4月の写真には、藤井さんが撮影された「春が咲く黄金崎」という作品が採用されています。