20240119 西豆学合同発表会(松崎高校探究学習発表)

4年ぶり、みんなが初めての西豆学発表会

次世代と共に住み続けられる持続可能な2030年の松崎を目指す本プロジェクト。今年度も松崎高校の探究学習をサポートしてきました。
1月19日、その集大成ともいえる「西豆学合同発表会」が松崎高校体育館で開催されました。コロナの影響で4年ぶりの開催となった西豆学合同発表会。松崎高校、松崎中学、西伊豆中学、伊豆の国特別支援学校伊豆松崎分校という地域の中学と高校が合同でお互いの探究学習の成果を発表する会です。この4年の間に賀茂中学が廃校になったこともこの地域の問題を表しているのではないでしょうか。
今回、松崎高校が1年生の発表であったことから、4年ぶりということですべての参加者が初めての合同発表会となりました。深澤松崎町長、星野西伊豆町長も来賓として参加されました。

まずは、各校代表の発表。

松崎中学3年生「廃校をリフォーム」

少子化により学校の統廃合が進み、廃校が増えている西伊豆。全国に廃校を利用した取り組みは増えており、廃校があることは逆にチャンス!
旧田子小学校を利用し、体育館で地場産品や地域の就労支援施設の商品を販売、海から訪れる人のために足湯を整備したい。補助金などについて調べていく中で、予算面でも実現可能なのではないかと思った。

西伊豆中学3年生「過疎化をとめるには」

西伊豆町は人口の流出、少子高齢化が進み、このままでは町の機能が衰退してしまう。現状と対策について西伊豆町役場でインタビューをおこなったところ、若者のやりたい魅力的な就業の場がないことが一つの原因ではないかと思った。一つの案として、西伊豆町では起業支援制度もあることから、起業を推進したい。そこで、西伊豆にUターンで起業した方にインタビューをした。場所を選ばないITや恵まれた地域資源を活かした観光業が起業に向いていると思った。「地域密着型旅行代理店」「キッチンカーでの移動販売」を提案したい。

伊豆の国特別支援学校伊豆松崎分校3年生「賀茂地区の防災について」

松崎町役場と賀茂地域局危機管理課に防災についての取り組みをインタビュー。災害が起きたときに「自分にできること」として、家族との避難場所の事前確認、避難所での自分ができること、例えば子供の相手など、を6人の生徒さんが発表してくれました。

松崎高校1年生「耕作放棄地の利用」

松崎町では耕作放棄地が増え、景観が悪くなり、交通の邪魔にもなっている。動物病院が2つあるのにドッグランがないことから、耕作放棄地を利用したドッグランの整備を提案したい。
ドッグランがあることで新しいコミュニティが生まれる。住民だけでなく、旅行者も利用できるようにしたい。

代表発表のあとに、全員が発表をおこなうグループ発表がありました。
松崎高校の生徒がファシリテータとなり、各校生徒が混ざった6~7人のグループを作って、それぞれがタブレットを使い自分の探究学習の成果を発表。職場体験 (消防署、役場の各課、高齢者施設、幼稚園など)の感想や、少子高齢化といった地域課題の現状と自分の考える対策についてなど、高校生がリードしながら発表を進めていました。

生徒代表の感想

西伊豆のたくさんの課題、現状、良さをあらためて知ることができた。色々な人の話を聞くことで、自分にできること、取り組めることがあると思った。全体発表の廃校リフォームや過疎化に対しての提案については、実現できるのではと思った。

深澤町長より

生徒の発表を聞いて頼もしく感じた。外から来た人はこの町を素晴らしいところだと言うが、住んでいる人にはその良さに気づいていないことが多い。ここに生まれたことを誇りに思えるようなまちづくりを大人が進めていく。

星野町長より

具体的な事例をあげ、提案をしてくれたことがよかった。西伊豆町は現在6次産業化に取り組んでいる。キッチンカーは町としてもほしいと思っている。中高生の提案を積極的に取り入れていきたい。

松崎中学校校長 森本先生より講評

発表は繰り返しおこなうことで上達していく、伝えることに積極的にチャレンジしてほしい。今回の発表会はみんなが初めての状況、中高一貫で地域学習に取り組んでいることには意味がある。

 

地域の中学、高校そして特別支援学校の生徒さんが、みんなでグループになり、高校生がリードして、発表を進めていく姿がとても印象的でした。
代表発表は、どの発表も地域課題を解決する具体的な提案があり、この発表を地域の大人が聞く機会があることにもこの会の意義があると思いました。特に、両町の町長が参加していたことから、廃校利用、地域密着型旅行店&キッチンカー、ドッグランともに実現に向かうのでは?という期待がありました。また、特別支援学校の生徒さんの災害時に地域の人の役に立ちたいという想いがとても強く伝わってきました。
小さな町だからこそ挑戦できることがある。来年度もプロジェクトとして、探究学習のサポートをしていきたいと思います。