20231208 松崎高校探究学習校内発表会

講義の中から興味を持った地域課題についてを調べて発表

9月から全7回おこなわれた松崎高校探究学習での2030松崎プロジェクトのチームによる講義。抜粋となりますが、ツーリズムのチーム

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高齢者のチーム

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農業のチーム

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エネルギーのチーム

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などがそれぞれ講義をおこないました。
今年度はこの講義を聞いて、自分が興味を持った地域課題について調べ、来年度、実際の活動に移していきます。

12月8日はこのまとめの校内発表会。約60名の生徒全員の発表となるため、4つの教室に分かれ、一人当たり3分での発表でした。
「ツーリズム」「福祉(高齢者・少子化)」「農業(耕作放棄地の利用)」「エネルギー」についての発表が主で、高齢化と耕作放棄地の問題を組み合わせた発表などもありました。

ツーリズムに興味を持った生徒さんの発表では、スケッチや写真撮影をおこない、その作品をポストカードとして持ってお土産にする、ホームステイといった体験を提供するツアーの提案がありました。
少子高齢化については、高齢化率の高い松崎町を含む賀茂地域と、県内で高齢化率が最も低い長泉町との比較をし、子育て支援の充実が少子高齢化をストップさせる鍵であると発表した生徒さんがいました。
介護については、ITの積極的な導入や住み込みリゾートバイトと組み合わせるといったアイデア、農業についても担い手不足解消のためにSNSを利用した情報発信といった若い世代ならではの提案がありました。

現状→課題→解決案という流れでまとめてあります。

発表の仕方については、町の現状→課題→自分の考える解決策、解決策のメリット・デメリットという形でまとめられており、とても分かりやすかったです。
各自の発表についてお互いで採点をしており、その得点をもとに、1月に松崎高校、松崎中学校、西伊豆中学校合同でおこなう「西豆学発表会」での発表者を決めるとのことです。

20231119 松崎プロジェクトチーム活動中間発表会

高校生や大学生の参加で場が活気づきました。

11月19日(日)、2023年度の松崎プロジェクトのチーム活動中間発表会を松崎町環境改善センターで開催しました。これまではチーム活動の現状や問題点を報告し、共有することを目的としていた中間発表会ですが、今回、2030松崎プロジェクトのチームだけでなく、地域で活動する団体の方に参加いただきました。
松崎町では町の方たちがたくさんの活動をおこなっています。町の方はその活動を知っているかもしれませんが、町外の人は知らない人がほとんど。この機会に、連携、協力といったきっかけが生まれることを期待し、お互いの活動を発表しました。

今回の会の流れとしては、プロジェクト全体の説明→地域で活動する団体の紹介→松崎プロジェクトのチーム活動の紹介→グループ対話→グループ対話の共有となります。

チェックインは、先日、国連の主催するインターネット・ガバナンス・フォーラム京都2023のプレイベントで英語でのスピーチをおこなった松崎高校3年藤井さん。この経験を今後のプレゼンテーションにいかしていきたいとのことでした。

まずは、2030松崎プロジェクトについて、「子どもたちと住み続けるまちを共につくる」「新しい観光の可能性を追求する」という二本柱のもと、中高生とのワークショップを通して作成した13のゴールを目指すチーム活動を現在おこなっていることを説明しました。
また、今年度は昨年度に続き、松崎高校の探究学習(西豆学)のサポートをチームがおこなっており、1年生が座学での講義を受け、来年度その2年生がチームとともに実践活動をおこなうことを説明しました。

次に、松崎町内でおこなわれている様々な活動をその活動をおこなっている団体の方から紹介していただきました。

松崎花の会

建久寺と花の三聖苑の花壇の植栽や、松崎の一大イベントである「まちかど花飾り」をおこなう団体です。40年くらい活動が続けられており、その秘訣は、情報を共有するための「お便り」の発行、「こういう会だったら楽しいというイメージを持っている」とのことでした。

松崎ポートクラブ

1月のどんど焼きに始まり、富士山の日の神事、遠足、海岸清掃、「日本で一番地味な盆踊り」、餅つきという年間の活動を歌でご紹介いただきました。5月からおこなう海水浴シーズンに松崎海岸に浮かべるいかだの竹取りと制作が一番大変とのこと。自分が楽しいと思うことを気の合う仲間とおこなっていること、活動のあとの飲み会開催が、30年以上続いている理由ということでしたが、若い人が入らないのが悩みとのことでした。

田んぼをつかった花畑実行委員会

松崎を代表する観光資源である「田んぼをつかった花畑」。松崎町那賀地区の農閑期の田んぼに花の種を蒔き、毎年2月中旬からGW頃まで見ごろを迎えます。一時期、打ち切りという危機がありましたが、地域おこし協力隊の方の協力やクラウドファンディングにより継続しているとのこと。メンバー以外にも町の多くの人がこの活動に協力しているとのことです。

静岡大学地域創造学環 松崎町商店街フィールドワーク

「せんとプロジェクト(仮)」として、松崎高校の生徒有志が一緒に活動。地域の空き店舗を活用して地域の交流の場を作るプロジェクトで、松崎商店街の「せんと」という店舗を使わせてもらっています。椅子やテーブルなどは不用品を回収することでまかない、この活動を松高生が撮影・編集した映像作品は、静岡銀行主催の「アオハルし放題」というコンテストの動画部門で優秀賞を受賞しました。この「せんと」を学生が挑戦できる場にしたいということで、学生主体で活動をしていくためにも、カフェやボードゲーム大会をおこない、興味を持ったメンバーを集めていきたいということでした。

静岡大学地域創造学環 松崎町観光と防災フィールドワーク

これまでに、防災避難訓練、防災講座、観光防災マップの作成などをおこなってきた。昨年度は地域の小中学生から観光スポットのアンケートを取り、webスタンプラリーを開催。今年度は地域特産の「桑の葉うどん、そば」の商品ラベルを作成中とのことです。

松崎町若手職員プロジェクト

令和4年度より松崎町役場の係長未満の若手職員が、町の課題の解決を図るために立ち上げたプロジェクトチーム。松崎町PR・町内DX推進・役場内DX推進・温暖化防止推進・景観保全推進・業務改善という6つのチームで活動中。自分たちで課題を見つけ解決する力を養うほか、コロナ禍で希薄になってしまったコミュニケーションの機会を増やす目的もあるとのことでした。

次に、2030松崎プロジェクトのチーム活動を紹介

ツーリズムのチームはコースの実踏を進めています。

ツーリズムチーム

里、山、町中の地域資源に絞り込み、資源を掘り起こして、観光商品にしていくことが目標。今年度は、古道、富士山ビュー、歴史遺産、ジオ・産業、健康ウオーキング、体験というカテゴリに分けたコースを16個企画し、実踏することを目標としているとのこと。企画を立てる段階で資料をまとめていたところ、静岡大学人文社会科学部考古学研究室の学生が、古代から近世に向かうジャンルを分けてポスターを制作し、大学祭で発表をした。そのポスターを会場後方で展示していました。

静大考古学研究室の松崎町の古道についてのポスター展示

農業チーム

松崎町を舞台に誰もが農と漁に携われる環境があり 私たちの食べ物を自給するための場所と仲間に恵まれている」を今年度のゴールとし、玉ねぎの収穫と農機の体験会、保育園からの依頼でサツマイモの定植や芋掘り、菜の花エコプロジェクト、桑の葉の収穫体験会などをおこなってきた。SNSの活用でプロジェクト以外の町内外の人の参加があったことが新しい動きであったとのことでした。

高齢化チーム

「高齢者になってもその人らしくともに暮らせる町を目指す」ことをゴールに、「ふるさと絵屏風」の作成に着手。自立とは一人で生きていくことではない、色々な人とのつながりが必要でその切り口として、ふるさと絵屏風づくりを始めた。具体的には、「常磐大通り商店街」の昔の賑わいを絵にしようと、ヒアリングなどを進めているとのことです。

三余塾チーム

学びの場、機会を創り出すチーム。気軽に学べる環境、学び会える環境を作っていきたい。自分が講師になりたい人も大募集。

エネルギーチーム

菜の花エコプロジェクトと連携したバイオディーゼル燃料精製について、小さなプラントの目処もついており、デモはできる状態だが資金がない状態。

映画チーム

松崎町を舞台にみんなで一つの映画をつくろう」というゴールのもと、町の人の持つ町の魅力、外側から感じる町の魅力を映画で伝えたいという思いで、映画製作を進めているチーム。監督・脚本は静岡大学の学生さん、主人公やナレーターを松崎高校の生徒さんが務める。現代の女子高生に依田勉三が夢を与えるといった内容で、映画のタイトルは「BENBEN」。12/3・17・1月末にも町内で撮影の予定。役者だけでなく、編集なども興味のある人は声をかけてほしいとのことです。

広報チーム

主にミライ通信、ブログでのプロジェクトの情報発信をおこなうチーム。町の広報と連携し、町の広報誌にプロジェクトのコーナーがほしい。町の人がいないと広報は難しいので、町の人に積極的に関わってほしい。

ぷらっとカフェ

プロジェクトの情報発信、チーム活動の共有などの場として、月に2回ほど、「ふれあいとーふや。」さんを利用してカフェを開催。今後、十字の園さん、蔵らさん、せんとさんといった別の場所でも開催していきたい。12/17(日)はせんとさん(松崎クリーニング向かい)で開催予定。

映画チームは大学生2人が発表。出来上がりをお楽しみに!

西豆学との連携やたくさんの活動の発表を聞いた上で、
①西豆学(松崎高校・松崎中学校)とどのように一緒に活動していけるか?いきたいか?
②町内で実施されている活動とどのように連携していけるか?いきたいか?
③まちのよりよい未来にむけてどのような活動をしていきたいか?
を5~6人×4つのチームでグループ対話をおこないました。どのグループも大学生がファシリテータを務め、活発な対話がされていました。

グループ対話の共有では
上記①について
・大人の持つ専門分野をいかし、高校生のやりたいことをサポートすることで実現可能にしていく。
・松崎高校には芸術コースがあるので芸術コースの生徒と活動したい
・「西豆学のサイズ」を広げていきたい。調べたことの実践の場がないので、大学、企業、大人にサポートしてほしい。

上記②については
・「せんと」や「ぷらっとカフェ」といったすでにある集いの場を活用する。
・十字の園を拠点として使うことで、若い世代と高齢者の交流が生まれるのでは?
・アイデアを実現させるためのコラボが、町の中と外でもできたら良い。

上記③については
SNSで話題となるような活動をおこなうことで、若い世代が松崎町で今後も暮らしたいと思うのでは?
・学生と多世代が集えるような居場所をつくり、その場で観光資源を見つけていく。
・若い人が活動をしていくことが大切、若い人の意見を取り入れることで視点が広がる。
・今日のこの場のような多世代がフラットな関係で集まる場所が必要
といった意見があがり、共通して言えるのは「若い世代の参加や意見を聞くためにも、多世代が集まることのできる場や機会が必要」ということでした。

高校生も積極的に発表をしました。

チェックアウトでは、今回初参加の美しい伊豆創造センターの佐々木さんより、多世代の色々なアイデアがあって土台がしっかりとしている。色々な土台があって掛け算になっていくことが大事、という感想をいただきました。

お互いの活動を知り、思いを伝え、それを掛け算していくことで、つながりが生まれていけばよいなと思いました。

※今回のブログの写真は、ポスター展示の写真を除き、松崎高校3年の藤井さんが撮影したものです。来年の西伊豆町のカレンダーの4月の写真には、藤井さんが撮影された「春が咲く黄金崎」という作品が採用されています。

20231203 映画チーム 町内ロケ

強風と寒さの中での映画撮影、みなさんお疲れ様でした。

松崎町を舞台にみんなで⼀つの映画をつくろう」という目標のもと、町の人の持つ町の魅力、外側から感じる松崎町の魅力を映画で伝えたいという思いで、松崎町を舞台に依田勉三をモチーフとした映画を撮影中の映画チーム。
前回の撮影

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に続き、12月3日に商店街と松崎海岸で撮影をおこないました。
松崎と言えば「なまこ壁」の建物が有名ですが、このなまこ壁は、冬に強い西風が吹く西伊豆特有の建築様式で、火災がおきた時の延焼を防ぐ目的があります。この日もとんでもない強風の中での撮影となりました。

今回音声を担当するのは高校生、機材を使いこなしています。

じっとしていることができない寒さの中でも、制服姿で撮影を頑張る高校生たち。通りかかった近所の方が「新聞で高校生と大学生が映画を撮影していることを知った。頑張ってね。」と言ってくださってとても嬉しかったです。
この日は松崎ならではの夕日もとても綺麗で、そのシーンも撮影していました。
休憩は商店街にある足湯で、アサイミートさんのその名も「勉三コロッケ」を食べながら。芯まで冷えた身体に足湯がしみます。

足湯とコロッケの温かさが冷えた身体にしみます。

次回の撮影は12月17日。エキストラだけでなく、編集なども興味のある方は、ぜひ「せんと」(商店街の松崎クリーニング向かい)にいらしてください。

20231126 ツーリズムチーム 密教の聖地コース実踏

たくさんの石仏がたたずむ高野山(たかのさん)

松崎町門野にある富貴野山宝蔵院に次ぐ石仏の宝庫と言われている高野山(たかのさん)。真言密教霊場であった場所で、かつては弘法大師もここを訪れましたが、谷の深さが物足りなかったことから和歌山県へ行って高野山(こうやさん)を開いたという伝説があります。
11月26日、ツーリズムのチームはこの高野山を探訪する「密教の聖地コース」の実踏をおこないました。このコースは、路線バスでの移動が可能なコースとして計画。長八美術館前からバスに乗り、八木山で下車し、高野山を目指します。県道を蛇石峠に向かい、岩科川に架かる風早橋手前で左側の林道へ。進んで行くと沢に架かる高野橋、地蔵石仏が祀られている石室を左折して登って行くと大きな奇岩が迫ってきます。

奇岩の迫る参道

苔むした階段を上ると石塔と毘沙門天石仏があり、石段を下がると、かつて修験者の草庵があったという広場に出ます。岩室には釈迦・文珠・不動の石仏があり、正面には石段を上ると岩室には弘法大師像が。奇岩絶壁に囲まれた重々しい雰囲気に包まれた聖地を感じる場所です。

巨岩にたたずむ弘法大師

炭焼きの跡も

奇岩絶壁に囲まれた重々しい雰囲気

帰りは来た道を戻り、文覚上人が持参した弘法大師像が安置されている永禅寺へ。なまこ壁の蔵が残る桑原地区を巡り、長閑な峰地区、岩科川の護岸を歩き、田園が広がる中村地区を抜け、終着点「重文岩科学校」へ。歩行距離約9㎞、所要時間3時間、信仰の歴史を感じながら田舎の風景を楽しむことのできるコースでした。

松崎十字の園での松崎高校美術部作品展示

松崎高校美術部の素敵な作品18点を展示する「ギャラリー十字の園」

先日(2023/11/18)の伊豆新聞にも掲載されましたが、松崎高校美術部の生徒さんたちの素晴らしい作品18点が、福祉施設松崎十字の園さんを入ってすぐのスペースや廊下を活用した「ギャラリー十字の園」に展示されています。作品の柔らかな色彩と壁の色がマッチし、何とも言えない雰囲気を醸し出しています。

絵に込めた思い、ぜひ実物を見に来てください。

入ってすぐのスペースに飾られた大きな絵がひと際目を引きます。この絵に込められた想いを生徒さんに伺うと
「今も世界中いろいろなところで戦争がおき多くの人が苦しんでいます。でもそれは決して他人事ではなく、私たちが暮らす日本でも数十年前には戦争がおきていました。私たちはそのことを決して忘れてはいけないと思います。肌の違ういろんな人種が平和に暮らせるよう、美しい花束で胸の中、頭の中をいっぱいにして過ごしていけるよう、そんな願いを込めてこの絵を描きました。」
と自分の言葉で語ってくれました。松崎にいながら世界の平和を願いそれを一枚の絵に託す。高校生の精一杯の心の叫びが聞こえてくるようで涙が出てきました。
廊下には高校生が描いた松崎の風景画や施設の高齢者の方たちの作品など心にしみる絵画が多数飾られており、皆さんのこだわりや情熱を知ることができます。これから定期的に展示作品を入れ替えるということですので次も楽しみです。皆さんも是非訪ねてみてください。今度はここでぷらっとカフェも開ければいいな、と思っています。

※作品の観覧は一般の方も可能です。(平日10時~16時)

松崎町高齢者福祉サービスを提供する「松崎十字の園」さんの職員の方と、静岡大学の地域福祉を専門とする内山先生を中心に活動をおこなう「2030松崎プロジェクト」の高齢者チームが、昨年の松崎高校での探究学習のサポートを機に始まった松崎高校美術部さんと松崎十字の園さんとの取り組み。こうした多様な世代のつながりが今後も生まれていくことを期待しています。

20231117 松崎高校探究学習8

静岡ガスさんがエネルギーについての基本的なデータを説明

11月17日の松崎高校探究学習の講義は、エネルギーチームが担当。エネルギーチームは、
1 静岡ガスさんが中心となり、町の温室効果ガス総排出量を把握、削減目標の策定と達成に向けた措置を検討
2 バイオディーゼル燃料の精製と発電利用
3 環境に負荷をかけないライフスタイルの普及
という3つの柱で活動をしています。
今回、静岡大学の丹沢先生、静岡ガスさん、町の方がそれぞれの取り組みについて説明をし、その説明を踏まえたうえで、生徒さんにグループディスカッションをおこなってもらいました。

静岡ガスさんからは「地球温暖化について考える~松崎町とエネルギー~」というタイトルで、地球温暖化、石油や石炭といった化石燃料について、カーボンニュートラルといった日本のエネルギー政策について、太陽光発電地熱発電、中小水力発電といった再生可能エネルギーについて分かりやすい説明をいただきました。その中で、日本はエネルギー自給率が低く、海外からの化石燃料に依存していることから資金が流出しているという現状を説明いただき、松崎町にも同じことが言えるとのことでした。松崎町では東京電力から電気を買っているため、町外にお金が流出しており、それはお金の問題だけでなく、例えば松崎高校の暖房がつけられないという事態になったときにどうするか?という問題提起をされました。

バイオディーゼル燃料(BDF)の精製と発電利用」については、実際に廃油からBDFを精製する会社を立ち上げた町の方からお話を伺う予定でしたが急遽来れなくなってしまい、資料をもとにした説明がされました。その方は、バイオディーゼル発電でステージ照明や音響、出店テントの電力をまかなう音楽フェス「頂 -ITADAKI-」でも活躍されていた方です。
廃油はほっておいたらただのゴミ。BDFとして利用すればCO2は排出されるものの、植物由来なのででカーボンフリーなエネルギーである。利用方法としては、ごみ収集車(ディーゼル車)での直接利用、ディーゼル発電機に使用し、EVに充電。農耕機への利用など。本プロジェクトでは農業のチームと連携し、松崎高校近くの休耕田で菜の花を育て、その菜種から搾油、食用油利用、廃油をBDF精製に利用する「菜の花エコプロジェクト」を進めています。

「環境に負荷をかけないライフスタイル」については、実際にそうした生活を実践している町の方からお話がありました。時代の過渡期を過ごしてきたその方は、親から何かに困ったときには困らないような工夫をする生活を受け継いできたとのことで、何かを買う時にはまずそれが必要か必要ではないかを考え、耐用年数のあるものを買うとのこと。若い世代へのアドバイスとして、家事を覚えることで暮らしの工夫を見つける機会をつくり、知恵を使って経験を積むことで、豊かな生活を送ってほしいとのことでした。

エネルギーという難しい分野でしたが、ディスカッションは盛り上がりました。

「エネルギー代金として多額のお金が町外に流失している現状に対し、松崎ではどのようなエネルギーを利用したらよいか?」
という議題でグループディスカッションをしてもらい、3組のグループから発表をしてもらいました。

・温泉熱や川の流れを利用する。川の流れが弱い時もあるので、太陽光発電とミックスさせる。
耕作放棄地で太陽光発電をしてはどうか?必要なものは、お金+人+話し合い
・水の流れる道を作って高さをつけて水力発電をおこなう。
といった意見が出ました。

中でも「お金+人+話し合い」という意見は非常に重要で、設備の建設にはお金がかかり、仕事としてやっていけるのかどうかという面で人の確保が難しく、土地の管理者などとの「対話」が必要になる
とのことでした。

最後、静岡ガスさんから松崎町のエネルギー案の一つとして、太陽光発電の紹介があり、まちの活性化につなげる仕組みづくりの例として、エネルギーの地産地消を推進する島田市さんとの連携についての紹介がありました。
なかなか自分事として考えにくいエネルギーですが、人口6000人弱という町で、年間4億円の電気料が町外に流出していると考えると身近な課題として考えられるのではないでしょうか?

今回で探究学習のチームでのサポートは終了。生徒さんたちがどの課題や取り組みに興味を持ち、これから学びを深めていくのか、今後もプロジェクトとして追っていきます。

20231112 ツーリズムチーム 長九郎山コース実踏

山頂より万三郎岳を望む

いつまで暑さが続くのか、と思っていたら急に寒くなり木々の紅葉が目立つようになってきた11月12日。ツーリズムチームは、標高995.7m、アマギシャクナゲの南限とされている長九郎山を歩くコースの実踏をおこないました。

200体もの石仏に見守られ、実踏開始

朝8:30に花の三聖苑に集合し、空海(弘法大師)が密教霊場として開いた古刹「富貴野山宝蔵院」へ。この日は曇っていたこともあり、駐車場の展望台から富士山は見えませんでした。
苔のむす約200体の石仏が並ぶ参道を通り、長九郎山へ出発!炭窯の跡や谷を埋めた「段築(尾根筋のくぼんだ部分に土層を突き固めた盛土部分)」といった昔の生活道として確認できる古道を歩き「出会」へ。出会を経て、緩やかな登り道を歩き「八瀬峠」へ。

八瀬峠手前には山神社(石の祠)があります。

林道と交差するので横断し、「原生林コース」へ。人工林と天然林の植生の違いを感じながら進んでいきます。赤くツルツルした樹皮の「ヒメシャラ」が出てきたら「京丸シャクナゲ」の植栽地、シャクナゲのトンネルが続きます。いよいよアマギシャクナゲ保護林へ!ブナの巨木とともにアマギシャクナゲが生えています。アマギシャクナゲのつぼみを確認したところ少なかったので、来年春の開花は少なそうです。

シャクナゲ保護林の解説板があります。

12:40に長九郎山の展望ヤグラに到着。360度の展望を楽しみながら昼食タイム。山頂付近の紅葉はもう終盤でしたが、チチブドウダンは紅葉真っ盛りでした。
途中、シャクナゲ現生地を確認しながら来た道を戻り、15:35に宝蔵院着。道中、マムシグサの実やシキビの実、ガマズミの赤さが目立っていました。

無事に下山、ゴミを拾い持ち帰ります。

多くの自然が残るハイキングコースである長九郎山。例年、12月中旬頃までは紅葉を楽しむことができるようです。